退職する前に知りたかった。「失業手当」と「傷病手当金」の決定的な違い

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はじめに:退職時の頭の中は混乱していた

こんにちは、編集長のナギです。

今回は、少し重いけれど、とても大切な「退職時のお金」の話をします。

私が会社を辞めたとき、一番不安だったのは「来月からのお金をどうしよう」ということでした。漠然と「辞めたら失業手当がもらえるんでしょう?」と思っていましたが、いざ調べてみると「傷病手当金」という言葉も出てきて、頭の中が混乱しました。

「どっちを申請すればいいの?」
「両方もらえるの?」

当時の私のように、体調が悪い中で複雑な制度を調べるのは本当に辛い作業です。だからこそ、過去の私と同じ状況にいる方に向けて、「これだけは知っておいてほしい」という決定的な違いを整理しました。

最大の違いは「働けるか、働けないか」

結論から言います。 この2つの制度は、そもそも「対象となる人の状態」が真逆です。

1. 失業手当(基本手当)

  • 対象: 「今は健康で、すぐにでも働けるけれど、仕事が見つからない人」
  • 目的: 次の仕事を探すための生活費

参考:基本手当について(ハローワークインターネットサービス) https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_basicbenefit.html

2. 傷病手当金

  • 対象: 「病気や怪我で、今は働くことができない人」
  • 目的: 治療に専念して体を治すための生活費

ここが最大の落とし穴です。

私のように「うつ病で働けないから退職した」という場合、原則としてすぐに「失業手当」を受け取ることはできません。なぜなら、ハローワークで「すぐに働けますか?」と聞かれた時に、「はい」と答えられない(=失業の状態ではない)と判断されるからです。

参考:病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金) | 全国健康保険協会 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3040/r139/

損をしないための「正しい順番」

では、病気で辞めた場合はどうすればいいのでしょうか。一般的には、以下のステップで進めるのがセオリーと言われています。

ステップ1:在職中〜退職直後

まず優先すべきは「傷病手当金」です。これは健康保険の制度で、病気で働けない期間(最大1年6ヶ月)の生活を保障してくれます。

以前は「1年6ヶ月経ったら打ち切り」でしたが、現在は法改正により、途中で体調が良くなって出勤した期間はカウントされなくなりました。つまり、休み休み治療する場合でも、しっかりと権利を使えるようになっています。

厚生労働省:令和4年1月1日から健康保険の傷病手当金の支給期間が通算化されます

医師の診断書が必要になりますが、まずはこれで生活費を確保しながら、療養に専念します。

ステップ2:ハローワークへ「延長」の申請

ここが重要です。

失業手当は、原則として「退職してから1年以内」に受け取らなければなりません。しかし、病気ですぐに働けない場合は、ハローワークに申請することで受給期間を延長(最大4年まで)することができます。

参考:よくあるご質問(雇用保険について) – Q10, Q12 https://www.hellowork.mhlw.go.jp/help/question05.html
(※Q10とQ12に延長申請の詳細が書かれています)

この手続きを忘れてしまうと、いざ病気が治って「さあ働こう」と思った時に、失業手当をもらう権利が消滅している……なんてことになりかねません。

私は残念ながら手続きの存在すら知らず…となりました。

ステップ3:回復後、仕事探しへ

体調が良くなり、医師から「働いても大丈夫」という許可が出たら、そこで初めてハローワークへ行き、「失業手当」の申請を行います。

「知らなかった」で後悔しないために

制度の名前は似ていますが、管轄も目的も全く違います。

  • 傷病手当金 = 健康保険(協会けんぽ・健保組合など)
  • 失業手当 = ハローワーク(国)

私は退職当時、この区別が曖昧だったため、あちこちに電話をかけてたらい回しにされ、無駄に体力を消耗してしまいました。「自分は今、働ける状態なのか? そうではないのか?」 その一点を軸に考えると、どちらの手続きを優先すべきかが見えてきます。

もし現在、退職を迷われている方がいれば、会社にいるうちに就業規則を確認したり、加入している健康保険組合のサイトを見てみたりすることをお勧めします。辞めてしまってからでは、書類の準備が何倍も大変になるからです。

まとめ:自分の身を守るための知識を持とう

複雑な制度の話でしたが、覚えておいてほしいのは以下の1点だけです。

「病気で働けない時は、失業手当ではなくまず傷病手当金と延長申請を検討する」

もちろん、個人の雇用形態や加入期間によって条件は異なります。自己判断せず、必ず管轄のハローワークや健康保険組合、あるいは医師や社労士などの専門家に相談してください。

知識はあなたを守るお守りです。
焦らず、一つずつ確認していきましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

【免責事項】
本記事は2025年12月時点での一般的な制度の仕組みを解説したものです。個別の受給資格や申請可否については、必ずご自身の管轄であるハローワークや健康保険組合等の公的機関へ直接ご相談ください。

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